第10回 「取り組み④ 場所を作る:リノベーション」
前回、ビジネスプランコンテスト入賞者に対し、創業支援・リノベーション支援などを行い、4つのお店が開業したことをお伝えした。具体的には、地方創生推進交付金を活用し、1店あたり50万円の補助金を提供させていただいた。
一方で私たちは水戸商工会議所とともに、コンパクトシティ実現に資するまちなか居住人口の増加策について調査研究を重ねてきた。その一環として「水戸まちなか居住リノベーション事業」を企画、中心市街地のマンションの空き室をリノベーションすることで、まちなか居住の推進につなげることとした。
モデルケースとして、アットワークの杉浦時彦代表に所有物件のご協力をいただき、石井邦明一級建築士には設計を、そして商工会議所コンパクトシティ・まちなか居住推進委員会の幡谷俊一郎副委員長には、事業全体のスキーム構築のみならず、対象物件や建築士、さらには入居者をご紹介いただいた。
物件オーナーの杉浦代表には、5年間賃料を抑えていただく。まちみとラボは、その物件に対しリノベーションを実施し、入居者と契約。5年間でリノベーション費用を回収した後、物件を良い状態でオーナーにお返しする。
この仕組みは、物件オーナーにとって5年間は家賃収入が低くなるが、5年後からは家賃収入の増大が見込める。しかもリノベーションされた状態で戻ってくる。改装資金を用意する必要もない。また、入居者の紹介もあり、空き室のリスクが減ることにもつながる。
今後、裏通りを中心にこのような事業を推進していきたい。また、このスキームは、空き店舗対策としても効果的である、と考えている。

Before After