代表コラム president column

第13回 「新しい取り組み:裏通りからまちを元気に」

 水戸のまちなかの大通り沿道には魅力的な物件があるものの、地価が低下している割に家賃が高止まりしており、新規創業者の出店を阻んでいる。一方、裏通りエリアでは家賃は比較的低いが、道路の整備状況は悪く、また空き地や空き店舗も多いことから、新規出店者にとっては魅力的とは言えない。その様な状況を踏まえ、まちみとラボ設立当初より、裏通りエリアの環境改善の方向性やビジョンづくりについて、地域の方々と取り組むことができないか、と考えていた。

 そんな中、都市再生推進法人の指定を水戸市から受けた直後の平成31年1月末、国土交通省が主催する「官民ボーダーレスまちづくりミーティング(都市再生推進法人等会議)」に参加した。その中で、民間の担い手が主体的に進める社会実験・実証事業などや普及啓発事業に対し、国が直接支援する「民間まちづくり活動促進事業」についての紹介があった。そこで早速、裏通りの環境整備についての考えを提案書としてまとめ、エントリーしたところ、有識者会議により「多様な関係者を巻き込む実際の課題解決を図るワークショップ事業など普及啓発効果が高いと思われる提案」として、全国7提案の一つに選定された。

 10月、南町二丁目商店街振興組合の黒澤理事長をはじめとする方々とともに「裡ミトづくり勉強会」を立ち上げ、月2回ほどのペースで勉強会やワークショップを開催し、裏通りエリア内の空き店舗や空き地の使い方、裏通りのあり方、環境改善の方向性などを議論した。そして、その方向性をエリアの将来ビジョンとして取りまとめた。

 今後、ビジョンのさらなるバージョンアップとともに、その具体化のためには、商店街を中心とする地域での「都市利便増進協定」などの締結に向けた機運醸成が必要である。商店街の方々との勉強会を重ね、ビジョンの実現に結び付けたい。

 まずは裏通りエリアを元気にし、じわりじわりと大通りの元気につなげ、水戸のまちなか全体の活性化を図ることができれば、と考える。

▲南町二丁目裏通りの将来イメージ案


 

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