第21回 「まちなかビジョンの作り方」
9月に開催した全体会議や合同セミナーによって、水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会は本格的にスタートした。本年度はビジョンの素案づくりが主な内容である。さて、どうするか。
現況を分析し課題を整理し、それを踏まえてビジョンを作る…。現在を起点とし、その延長線上に未来をイメージする。これは従来型のプランニング、フォアキャスティングで、これでは現状の「変わらない理由」に絡めとられてしまう。
水戸のまちなかを劇的に改変するためには、目の前の課題や制約条件にとらわれない「現在の延長線上にはない未来」を定義することから始める必要がある。その上で現状とのギャップを把握し、優先順位を付けて解決策を考える。つまりその手法はバックキャスティング。実現したい未来から考える問題解決アプローチだ。
それともう一つ。よくあるビジョンでは、空間にさまざまな「場・モノ・コンテンツ」が配置されていて、「絵」としては格好良く見えるが、それらを使う人の姿、ライフスタイルがイメージできない。そこで私たちは、「場・モノ・コンテンツ」などから発想せず、街にかかわる人の気持ちを中心に置き、そのために街が何をできるか、何が欲しいか。それを考えるところから始める。
協議会の中に設置した委員会や部会の方々に、この難しい課題、「欲しい街」、「ライフスタイル」、「回遊性」についてイメージしていただくこととした。
新しい手法による新しいビジョンづくり。まだ始まったばかりだ。
