第26回 「まちなか再生の若い力」
さて、未来ビジョン素案は、協議会の全体会議の下に組織されている、委員会や部会での議論やアイデアをベースに作り上げられたものである。
時代の変化に敏感で、時代をリードする人たちを「アーリーアダプター」と言う。アーリーアダプターの共感を得ることができれば、大衆・マジョリティが動く。委員会や部会は、水戸のまちの将来を担う若い民間のアーリーアダプターを中心に構成されている。水戸で生まれ育った人もいれば、東京からUターンしてきた人、さらには、東京在住だが、故郷の水戸の再生に関心を持つ人など、コロナ禍でweb会議が主体であったため、むしろさまざまな参加が可能となった。
そんな彼らの「欲しい街」「欲しい水戸のまちなかの風景」「ライフスタイル」をイメージしていただき、未来ビジョン素案の最終的な取りまとめも、若手によってデザインされた。
まちなか再生には、もちろん行政による基本的な基盤づくりは必要だが、その基盤の上で、いかに多くの人たちがその「場」を活用し、まちなかに新しい価値、新しい活力を巻き起こしていくことができるか。それがとても大切である。
ビジョンづくりに関わっている若いメンバーたちは、ビジョンを作ることも大切だが、それをいかにして実現するか、早い段階から「自分ゴト」としてそのことに大きな関心を寄せている。水戸のまちなかを使い倒して、水戸のまちなかに新しい風を呼び起こす。それはまさに、水戸の街の若い人たちの役割だ。
2月28日に、このビジョン素案を題材とした第一回水戸まちなかデザインシンポジウム「みんなで創る水戸まちなかの未来」を開催した。第一部が若手代表によるビジョン素案の紹介、第二部が専門家と語る水戸まちなかの可能性、そして第三部は若手による具体化に向けたディスカッション。
シンポジウムを通し、パネリストと視聴者、それぞれがそれぞれの立場で自分ゴトとして共鳴、水戸の再生に向けた新たな兆しを感じることができた。特に若い人たちが、まちなかを見捨てず、「私たちのまち」として大切にする意識を持ち、今後の主体的な行動を約束してくれたことは、大きな収穫だった。
