代表コラム president column

第31回 「広がる共感の輪で組み立てる」

 5月にスタートした「水戸まちなかデザイン会議」、8月22日には6回目を迎えた。リモートによる勉強会もはさみつつ、10月に実施する試行・実証実験の具体的な内容について検討を進めた。検討内容は、大きく分けて「場づくり」と、その「空間利活用」。

 場づくりは専門的な検討も必要なことから、コアメンバー会議を組織した。全体とりまとめやグラフィックデザインについては、一級建築士で日本設計PM・CM部の中山佳子さんに。交通計画やデータ検証に関することは、茨城大学大学院理工学研究科の平田輝満准教授に。空間デザインは、中山さんと、一級建築士で日建設計NAD室の藤奏一郎さんに。ソフト面での企画や運営は、まちみとラボ・喜本管工役員の石田典惣さんと、展示会などの企画会社・博展の圷裕樹さんに。それぞれ優れた専門性を有し、それを出し惜しみなく水戸のまちなかに投入。皆、水戸在住か、あるいは東京在住だが水戸の出身者。水戸のまちなか再生に熱い思いを抱いている若手たちだ。

 また、裏通りの車道や歩道へのストリートサインについては、その許認可を含め、加藤久人部長をはじめとする水戸市都市計画部の方々に絶大なるご協力をいただき、お陰でかなり思い切った実験が可能となった。

 沿道に立地するビルオーナーの協力も欠かせない。水戸読売会館ビル、クロサワ眼鏡店、アットワークビル、ローソン水戸南町2丁目店、西洋倶楽部ビル、吉見屋ビル、それぞれのビルオーナーにもビジョンや実験に共感いただき、実験の際には、それぞれの「場」を提供いただけることとなった。

 さらに、家具メーカーのコトブキさんや照明関係のコイズミ照明さん、無印良品でお馴染みの良品計画さん、音響デザインの神山聴景事務所さんからも、物品提供をはじめとする支援をいただけることとなった。

 そして、南町2丁目商店街振興組合の方々には、地元調整をはじめとする全面的な支援をいただいている。

 第6回会議では、デザイン会議参加メンバーからの空間利活用「まちなかリビング活用案」について、自分ゴトとして提案・披露いただき、15のプロジェクトが生まれた。

 2月のシンポジウム以降、広がる共感の輪は200人以上に達した。その共感の輪で組み立てられた試行・実証実験案は、8月31日にオンラインで開催された協議会の第2回全体会議にて説明、承認いただいた。9月中に具体的な準備を進め、10月9日、いよいよ実験開始だ。

代表コラム一覧へ