代表コラム president column

第35回 「実験で得られたデータの検証①」

 試行・実証実験では、さまざまな貴重なデータが収集できた。データ検証は大きく分けて2通り。一つは定性的なデータによる検証で、これはアンケートやヒアリングにより、人々の意識を把握するもの。もう一つは定量的なデータによる検証で、これはビデオカメラやWi-Fi接続データにより、車や歩行者の移動状況を把握するもの。

 今回は、定性的なデータに関する検証結果の概要をお伝えする。アンケートが主だが、紙媒体のほか、ヒアリングやwebアンケートも実施した。

 まずは、今回の実験全般に対するご意見として、実験参加者へのアンケートやインタビュー。ビジョンへの理解度は高く、実験に肯定的で継続を望む声が多かった。また、まちなかに対し、回遊する理由や場、コンテンツを期待している。周知不足で回答件数が少なかったのが残念である。

 次に、現地にある店舗の方々の感想やご意見として、南町2丁目と3丁目の店舗の方へのヒアリング。人通りを増やす効果はあった。実験への期待は大きく継続的実施を望む声が多かった。これっきり、ではだめ。しかし、やはり周知不足で、何をやっているのか知らないお客さんが多かった。お店の方もうまく説明できなかった。商店街や個々のお店への役割も示して欲しかった。道路サインの効果は高い(歩行者にとって歩きやすい。車両の速度抑制)。

 イベントではなく、日常使いを目的とし、居住者や勤務・通学者など、「今、いる人」をターゲットとした。日常使いということとコロナのこともあって、大々的なPRは避けた結果、認知度が低かったことは否めない。それでも、回遊して初めて見聞きする水戸のまち

の面白さを、多くの人に体験いただいた。これが、もっと日常的な人の動きにつながれば、と思う。

参加者アンケート


商店主インタビュー(N=33)


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