代表コラム president column

第40回 「コロナも収まりつつある今」

 コロナ禍が始まって早々、このコラムの令和2年6月号で「コロナと共に~駆け足でやってきた未来~」と題する記事を書いた。それから2年。ようやくコロナの勢いも落ち着いてきたように感じる今、果たして世の中はどうなったのか。

 大きな流れとしてのオンライン化は、宅配や働く現場でも学びの場でも確実に進展した。しかし一方で、「やっぱりリアルに顔を合わせた方がいいよね」という場面もはっきりしてきて、どうやらこの方面ではリアルとバーチャルのハイブリッド化が進むようだ。

 また、一極集中の高層高密が嫌われる、と考えたが、確かに昨年の人口動態調査によると、東京23区の転出超過は1万5千人にものぼった。一方で東京圏では8万人以上の転入超過。23区から転出している人の多くは、横浜や川崎、さいたま市、川口市など近隣都市に転居しているようだ。

 水戸市はどうか。ある不動産・住宅情報サイトが令和2年9月に発表した『コロナ禍での借りて住みたい街ランキング』によると、何と水戸駅エリアが第一位。常磐道や常磐線により、都心・近郊にダイレクトアクセスが可能で、駅勢圏が広く生活利便施設も駅周辺に数多くあることから、生活しやすい街が具体的にイメージされるらしい。都心から一定の距離があり、コロナ禍での安心感およびテレワークが定着したら、都心・近郊からある程度離れていても居住可能という条件が支持された、とのこと。

 水戸市の直近の転入人口は、コロナ以前の令和元年は+145人、令和2年は+429人、令和3年は+799人。これは期待しても良いのかもしれない。水戸のまちなかの不動産業者の実感としては、まだまだその需要は顕在化していないようだが、ポテンシャルはある。あとは、いかに多くの方が安心して移住できるハイブリッドな環境整備を進めるか、それにかかっている。

 

コロナ禍での借りて住みたい街ランキング 1都9県拡大版(出典:LIFELL HOME’S)

          

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