第52回 「新水戸市民会館とまちなか」
新水戸市民会館のオープンがいよいよ7月2日に迫った。思えば東日本大震災のあった年の秋、水戸商工会議所と水戸市中心市街地活性化協議会が合同で「新市庁舎についての私たちの考え方」と題する緊急レポートを水戸市に提出、その中で市役所と市民会館の機能を併せ持つシビックセンターをまちなかに整備することを提案した。
昭和49年の茨城国体の開催にあたり、当時の水戸には宮様ホテルがなく、市役所のあった場所に水戸京成ホテルを誘致、市役所は市民会館や水道庁舎とともに駅南に移転した。本来まちなかにあった市役所と市民会館を、まちなかに取り戻そう、という訳だ。
残念ながら市役所は駅南に留まることになったが、市民会館はまちなかに戻ってきた。
市民会館については、建物が概ね完成した昨年の6月、内覧会のあった今年の5月1日、そしてプレオープンデイの5月27日、都合3回の見学を行った。建物が完成に近づくにつれ、強く感じてきたことは、「圧倒的だ」という気持ち。市民会館があれば、他はいらないんじゃない?と言った感じさえする。
何をもって市民会館の成功とするか。市民会館が活発に利用され、営業的に成功することはもちろん大切だ。しかし、それよりももっと大切なことは、水戸のまちなかがにぎわい、エリアとしての価値が高まり、結果として水戸の街全体の魅力が高まることだ。
市民会館が一人勝ちしたのでは意味がない。市民会館が、駅ビルや道の駅のように、魅力的な「場」を独り占めして、かえってまちなか全体の活力を奪うようなことがあっては、大きなマイナスだ。
いかにして市民会館のプラスの効果をまちなか全体に波及させることができるか。水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会は、商店街の方々と一緒に考え、この使命に取り組んでいきたい。

▲新水戸市民会館 やぐら広場