第54回 「ハイブリッドなまちづくり」
お祭りシーズン到来。コロナで我慢してきた反動もあって、どこも大変な人出だ。この3年間、リモートワークやネットによる買い物の急速な普及など、暮らし方や働き方は大きく変わった。でも、それではデジタル一辺倒か。デジタルで済むところは徹底的にデジタルで。でも、いかにデジタル化が進んでも、人々は「やっぱりリアルに顔を合わせた方がいいよね」。デジタルとアナログ。ハイテクとハイタッチ。水戸のまちなか再生には、このハイブリッドなまちづくりが大切だ。
アナログでハイタッチな方向性を明確に示しているのが、明利酒類の加藤喬大さんメモだ。これは、水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会が令和3年度にまとめた、まちなか再生の未来ビジョン「挑戦心を育む、コンパクトなまちなか暮らしを取り戻す」の中心的なコンセプトとして提示されたもの。
誰しも心のどこかで持っている、何かを変えたり、何かを始めたいという気持ち。挑戦している人を支え、挑戦したい人が集まる街に。そのために街ができることは。
「共鳴と伝播」: コワーキング、イベント、学び舎、キャンプ、ベンチャーキャピタル、異質な出会い、人材交流。
「ゆとりと閃き」:ウォーカブル、哲学の道、公園、マインドフルネス、寺社仏閣、自動自転車、セキュリティ、上質な一人時間、サードプレイス、託児所。
「遊びとたくらみ」:ストリートアート、ストリートマルシェ、道路カフェ、祭り、市民議会。
水戸のまちなかは、居ながらにして芸術文化に触れられる。歴史との出会いがある。エキサイティングなスポーツを体感できる。そして、偶発的な出会いがある。居心地が良くて歩きたくなる空間を、まちなかの随所に用意することで、共鳴と伝播、ゆとりと閃き、遊びとたくらみの場づくりが進むはずだ。