第60回 「大通りでの社会実験が始まる」
既にお伝えしてきた通り、水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会の今年度の社会実験では、大通りの歩道部分において、歩行者利便増進道路(ほこみち)制度の導入を試行する。国道である大通りを利活用するには、その管理者である国土交通省の常陸河川国道事務所から占用許可を、また水戸警察署から使用許可を得る必要がある。そのための協議を昨年の6月から進めてきたが、年が明けて1月末にようやく許可が出た。
取り組み方針
ここまで協議が長引いたのにはいくつか理由がある。①関東圏内の国道において「ほこみち」として指定されている路線の前例がなく、道路管理者として検討に慎重を要した。②大通り協議会として、パークレットなどの設置は初の試みであり、協議会が占用物件の維持管理を可能とする根拠に乏しい。③将来的に「ほこみち」での利活用を実現するには道路管理者による指定が必要であるが、まだ指定はなく、今のところ指定の予定もない。
このような背景を踏まえ、今年度の実験の取り組み方針として、まずは実績を着実に積むことを最優先に、今後の大通り活用、居心地よく歩きたくなるまちなかづくりの基盤を整えることに注力することとした。また、地元商店街・沿道事業者、通勤・通学者など大通りは多くの方々に関わるものであることから、その魅力向上に取り組む大通り協議会の認知度・信頼度をしっかりと向上させていく。そのためにも、安全性に最大限配慮し、備品の設置についても段階的に、参加型のイベントも組み込みながら行なう。そして、今回の取り組みの検証結果をほこみち指定の材料の一つとしていただけるよう、働きかけたい。
実験概要
関東初となる国道歩道へのパークレットや人工芝、共用駐輪場などの設置による空間活用を実施。まちなかの道路空間の新たな活用方法を試行し、より魅力あるまちづくりを目指すための検討材料とする。備品の製作や設置はワークショップ形式で。期間中はまちなかでの挑戦企画「まちなかチャレンジ」を募集。また、各種データや利用者からアンケートなどで意見を収集し、今後の水戸のまちなかの都市空間づくりや常設化に向けた検討材料とする。実験期間は3月末まで。
