第77回 「世界に届く物語③」
暮らしのすぐそばにある千波湖を、日常的に、当たり前のように眺めながら、水戸オリジナルの自然、歴史、文化、精神、価値(彰往考來、弘道館、偕楽園、芸於遊、一張一弛、水戸学、新回天など)が生まれた。
水戸の目指した「維新」
それでは、幕末期において水戸がイメージした新時代・維新とは、どのようなものだったのか。
たぶんそれは、江戸時代の良さを否定しない日本ファースト、日本オリジナルの社会であったろう。日本の自然、風土を生かした暮らし、日本の歴史的成り立ちを大切にする文化。尊王敬幕の思想を基本とした社会。日本の自然的、歴史的、文化的価値観を前面に出して世界に対峙する。そんな社会であったのではないだろうか。
その上で、良きものは排除せず、異なるものにも寛容である社会。これは、自他共にそれぞれの個性を大切にする社会である。
それを日本の新しい統治に、そして世界に御していく日本の基本にしたかったのではないだろうか。
水戸から始まる新時代の物語
水戸の街を大切にする。日本という国を大切にする。水戸の歴史を大切にする。日本の歴史を大切にする。もちろん、それぞれの国や地域の個性は互いに大切にする。そこから生まれる新しい価値観で、世界の模範となろう。そんなチャレンジから、世界に届く物語が描けるのではないだろうか。
世界は今、一つの統制のもとに運営されるグローバルの時代から、個性際立つインターナショナル、インターリージョンの時代に向かいつつある。水戸市民が、そして日本国民が故郷を誇りに思い、自身が故郷の街での暮らしを満喫し、そこから生まれる豊かなライフスタイル発信する。その上で他との違いを尊重する姿こそ、これからの時代の世界に向けて語られる水戸発の物語、世界に価値を生む物語ではないだろうか。
世界に届く物語。世界に通用する、世界から価値が評価される、世界が感動する日本。その発信源としての水戸を創ろう。
(おわり)

▲弘道館の梅